ビジネスの形態も激変し会社の雇用形態も変容する現代、様々な理由から自分でチャンスを掴むために起業を考えるも方も多いのではないでしょうか。
そのほとんどの方が未経験からの起業で「起業の具体的な方法が分からない」「どこかに相談できるところはないか迷ってる」という悩みを持つ方も少なくないでしょう。
私たちもサラリーマンの経験を経て株式会社として起業しました。
その私たちの経験も含めて、これから起業する方に「起業に向けたステップ」や「かかるコスト」などを分かりやすく解説していきます。
起業するために必要な知識を得て、希望をもって新たなスタートをきりましょう。
会社を設立するメリットとは?
起業というと「会社を設立」するか「個人事業主」としてやっていくのか2つの選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを比較してみます。
メリット | デメリット | |
個人事業主 | 手続きが比較的簡便 税金の計算が法人より楽 | 法人に比べて信用が低く、 取引に支障が出ることがある |
法人設立 | 社会的信用が高い 節税対策が取れる | 手続きが煩雑 経理・税務は専門知識が必要 |
上記の通り「会社設立」と「個人事業主」でそれぞれメリット・デメリットありますが、今回は社会的な信用も得られ、税金面でも有利な会社設立について説明していきます。
会社設立で社会的信用が上がる
会社を設立するためには、会社住所や代表者名、資本金の額、役員などを記述した必要書類を法務局へ提出し、登記する必要があります。
そのような手続きをして設立された会社は、法人としてのしっかりした基準を満たしたことで、信頼が得られます。
会社設立で節税できる
個人事業の場合の所得税は、課税所得が900万円を越えると税率が33%、最高で45%にもなります。
一方法人の場合には、最大でも23%程度でおおきな節税になります。
会社設立による節税メリット7つ
会社設立で融資・資金調達がしやすい
法人の場合、お金の管理は厳しく管理されているため、融資を受ける際に金融機関もすぐに資産を把握することができます。
それにより、融資判断が速やかに進むケースも多くあります。
もちろん、個人事業主であってもしっかりと管理をしていれば資金調達は可能ですが、信頼度の面でも会社の方が有利だといえます。
借り入れではない新しい資金調達「ファクタリング」
会社の決算月は自由に決められる
個人事業主は、毎年1月1日から12月31日までの1年間で会計を行うことが定められているため、決算月は12月です。
いっぽう、法人の場合は自由に事業年度の決算時期を設定できます。
そのため、業務が忙しい時期を避けて決算事務を行うことができる点は大きなメリットです。
会社設立で相続税対策になる
個人事業の場合は、その経営者が死亡すると財産すべてが相続の対象となります。
しかし会社設立をすると、相続財産の分配や相続時の財産評価の面でメリットがあります。
特に、税率が高くなる多額の相続財産がある場合に効果的です。
会社設立までの流れ
会社設立のおおよその流れ・手順は以下の通りです。
では、それぞれの手続きや方法について具体的に解説していきます。
1)会社概要の決定
会社設立までの流れ(1)
会社概要の決定
まずはどのような会社を設立するか、会社の概要を決定します。
以下は会社設立時に最低限決めておく必要があります。
これらの事項は会社の「定款記載事項」となります。
明確に定めておきましょう。
2)定款の作成と認証
会社設立までの流れ(2)
定款の作成と認証
上記(1)で決定した「会社の概要」を文書にまとめたものが「定款」となります。
定款は「会社の基本ルール」というとイメージです。
株式会社の場合、定款を作成し「公証役場」で定款が法令に基づいて作成されていることの証明を受けます。
これを「定款の認証」といいます。
3)資本金の払い込み
会社設立までの流れ(3)
資本金の払い込み
発起設立の場合は発起人が、募集設立の場合は出資者全員が、発起人または設立時取締役のうち誰か1人の銀行口座に出資金を払い込みます。
このとき出資金として払い込まれた総額が「資本金」となります。
資本金の銀行への払い込みは「定款の認証」を受ける前であっても問題ありません。
4)登記申請書類の作成
会社設立までの流れ(4)
登記申請書類の作成
次に会社の設立登記について解説します。
会社設立登記をするためには「登記申請書」を作成し「定款」や「資本金の払込証明書」「役員の就任承諾書」など必要な書類を添付して法務局へ提出します。
会社設立に必要な書類7点
登記申請書 | 会社名(商号)や本店所在地、登録免許税の金額や添付書類の一覧などを記載する書類 |
登録免許税の収入印紙を貼付した台紙 | 収入印紙を貼り付ける台紙 |
登記すべき事項 | 法務省作成の例を参照 |
定款 | 紙または電子定款作成 |
取締役の就任承諾書 | 役職名と取締役として就任を承諾した旨を証明する書類 |
払込証明書 | 定款に記載されている通りの資本金が発起人によって所定の銀行口座に振り込まれたことを証明するための必要書類 |
印鑑(改印)届出書 | 印鑑を登録するための書類 |
場合によっては必要となる書類4点
発起人の決定書 | 発起人全員の合意の元に本店所在地が決定されたことを証明するための書類 |
代表取締役の就任承諾書 | 記載内容は概ね取締役の就任承諾書と同じ |
取締役全員の印鑑証明書 | 取締役会を置かない会社の場合、取締役全員の印鑑証明書を提出する |
登記申請書の記載事項は商業登記法で定められています。
この法令に従って作成されていなければ申請は却下されます。
一般的には、登記実務の専門家である司法書士に作成を依頼することになります。
5)会社設立登記
会社の設立日は、原則として法務局に登記申請書を提出した日となります。
そして、登記が完了すれば登記完了証が交付されます。
登記完了証が交付され、登記事項証明書や印鑑証明書、印鑑カードができるまでには、登記申請書を提出してから1週間から2週間ほどかかるでしょう。
会社設立に必要な費用は?
株式会社 | |
定款用収入印紙代 | (紙)4万円 (電子定款は不要) |
定款認証にかかる手数料 | 資本金100万円未満の場合:3万円 100万円以上300万円未満の場合:4万円 その他の場合:5万円 |
謄本代など | 約2,000円 |
登録免許税 | 15万円~ |
合計金額は約20~25万円です。
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設立にはどの程度の期間がかかる?
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会社設立後に必要な手続きは?
無事に設立登記申請が受理され会社が設立された後に必要な手続きがあります。
次に会社設立後に必要な手続きを見ていきます。
会社の銀行口座開設
会社設立が完了したら、会社名義の銀行口座を開設しましょう。
特に設立されたばかりの新会社の審査基準は個人の場合よりも厳しく、開設まで時間がかかるケースがあります。
銀行よっては口座開設を断られるケースもあります。
銀行口座開設は会社設立後すぐに手続きをしてください。
口座開設に必要な書類は以下の通りです。
なお、金融機関によって口座開設に必要な書類や資料は異なります。
口座開設をしたい銀行に電話等で事前確認しましょう。
法人設立届出書
会社を設立した後は2か月以内に、
「法人設立届出書」を税務署・都道府県税事務所・市区町村役場へ提出する必要があります。
また、青色申告承認申請書も同時に提出するようにしましょう。
青色申告承認申請書の提出は、その後の会社経営に大きな影響を及ぼしますので、忘れずに行ってください
その他の届け出
従業員を雇う場合は、税務署へ「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が必要です。
また、従業員の有無にかかわらず、代表者等が役員報酬を受け取る場合は社会保険事務所へ各種届出が必要です。
届け出が必要な書類は、最寄りの税務署・社会保険事務所へ問合せすれば、詳しくは説明してくれます。
上記役所は「お金を収めるための問い合わせ」には非常に丁寧に教えてくれるものです。
超簡単な会社設立の方法:まとめ
株式会社を設立するには、多くの煩雑な手続きをこなしていかなければなりません。
また、登記が完了し会社を設立した後も、税務署や社会保険事務所などへ届出等を行わなければなりません。
また銀行口座の開設や当面の資金繰りなど、いろいろな課題がありますが、一つ一つクリアして会社として動き出せれば信頼度も増し、税制面でもいろいろなメリットも生まれます。
全て自分でやり切る必要はありません。
煩雑な作業は専門家にお任せすることも必要です。
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会社は設立するのが目的ではなく、設立してからが本番です。
設立作業はサクッと済ませてしまいましょう。