自宅で梅酒を手作りして楽しむ方も少なくないようです。
お酒の自作は「自分や家族で飲む分には問題ない」といわれますが、お酒のアルコール度数や内容物によっては違法になってしまいます。
また水割りやカクテルなど注意しなければならないルールも存在します。
この記事では、お酒を自作する際の注意点を紹介します。
アルコールが1%以上の製造は違法
酒税法第7条、第54条では、製造された飲料物にアルコールが1%以上含まれる場合には、酒類製造免許が必要とされています。
例として麦とホップを使ってビールを作る場合、アルコールが1%未満なら合法、1%以上なら違法となります。
「ビールキット」を購入して自家製ビールを造る場合は、アルコール分が1度以上にならないよう製造方法が取扱説明書に具体的に記載されているので、それに沿ってアルコール分が1度未満となるように作れば、違法ではありません。
17~23リットル仕込 ビールキット缶(醸造キット別)
初めてでも美味しく簡単に仕込が可能
350ml缶ビール換算で40円以下と経済的
お酒の利用はアルコール度数20%以上
酒税法では、製造するものにアルコールが1%以上含まれると違法ですが、例外としてアルコール20%以上の酒類を使って果実類を漬ける場合には、製造が許されています。
代表的なものでいうと「梅酒」です。
梅酒作りは合法?
梅酒はアルコール20%以上のホワイトリカーに梅と氷砂糖を漬けて作るので、酒税法による例外規定内で合法です。
しかし、ホワイトリカーの代わりに焼酎を使って梅酒を作るケースもあります。
焼酎にはアルコールが20%を下回る種類もあるので注意が必要です。
新たにアルコールを発生させると違法
ぶどうや穀物類を入れない
果実酒を作る際に、ぶどうや穀物類を使用することは禁止されています。
以下の材料は、発酵によって新たにアルコールを生成する可能性があり使用が禁止されています。
サングリアは違法?
サングリアとは「ワインにフルーツやスパイスを漬け込んだワインカクテル」のことです。
お酒が苦手な女性にも飲みやすく、見た目も可愛いので「自家製サングリア」を提供するお店も少なくありません。
しかし、この自家製サングリアも違法の可能性があります。
上記でも説明した通り、酒税法では例外としてアルコール20%以上の酒類を使って果実類を漬ける場合には、製造が許されています。
例えば、「焼酎で作る梅酒」、「ウォッカにレモンを漬け込むリモンチェッロ」等は、酒類免許がなくても飲食店で提供可能です。
しかし、サングリアはアルコール度が20度未満のワインがベースなどで、上記の例外には当たず、製造や提供には免許が必要となります。
また、飲む直前に酒類を混ぜる場合は、そもそも製造に当たらないというルールがありますが、サングリアは事前に作り置きしたものなので、この例外規定にも当てはまりません。
上記の通り、酒税法上ではサングリアを製造したり、焼酎の水割りや炭酸割りを友人に作ったりする行為は違法にあたります。
しかし、悪質な行為とみなされない限りは実際に摘発される可能性は低いと言えます。
世界各地のワインとワイングッズを紹介するCONVINO
カクテルは直前かつ家族にならOK!
カクテルを自宅で自分用や家族用に作ることは合法です。
しかし、友人に作ったり、作り置きしたりすれば違法になります。
また同様にカクテルに限らず、焼酎の水割りなども友人に作ったり、作り置きしたりすれば違法になります。
お酒を自作する際の注意点:まとめ
この記事では、お酒を自作する際の注意点を紹介しました。
酒税法に違反し、摘発されれば厳しい罰則が科されます。
酒税法第五十四条による罰則規定では、10年の懲役または100万円以下の罰金です。
また、酒類を許可なく販売した場合、酒税法第五十八条により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
また自宅のお酒を不用品として売却であれば税務署の許可は要らず、違法ではありません。
しかし、最初から転売目的で酒類を購入して売却した場合には違法に当たります。
お酒を造る際は、「販売しない」「新しくアルコールを生成しない」などの注意点を忘れずに。